では、あなたはドリル頭のアリエルについてどう思うのですか?

D23 Expoが開催されましたね。

新作アニメーションの話題もありましたが、

実写アニメーションが多い印象です。

キャストが発表された時点で既に荒れてましたが、

やっぱりまた荒れてますね……アリエル。

私はアニメーション至上主義です。

思うことがあるので、言わせてください。

 

キャラクターが魅力的になるとき

アニメーションにしかできない表現方法があるから

キャラクター達は魅力的なんですよね……

だから、実写化したら、その魅力は無くなって当然で、

あとは役者さんが、どのようにそのキャラクターを表現するかだけの話なんだと思うのです。

その表現や演技によってはじめて、

実写になったキャラクターの魅力が新しく生まれると考えます。

好きなシーンを思い起こさせる動きをしたとか

自分が思う理想のプリンセスのように優雅で美しかったとか

好きな役者さんが、自分の思うようなキャラクターを演じてくれたとか

そうなってくると、最早それはアニメーションのキャラクターと同一ではなく、

その役者さんが演じるキャラクターの魅力になるということだと思うのです。

アニメーションのキャラクターを1人目の役者と捉えると、

実写の役者さんは2人目、3人目の演者になり、

三者三様それぞれの魅力があるキャラクターになると考えます。

だから、人がみんな違うように、アニメーションから飛び出してきたようなアリエルなんて、存在しないと思っています。

 

アリエルはドリル頭なのですか?

これは本当に、前からずっと思っていたことです。

アニメーションから飛び出してきたような、

アニメーションと同じ見た目の、アリエルがアリエルだとしたら、

ミュージカルのアリエルのドリル頭とウェービーヘアは絶対おかしいってならないのでしょうか。

Part of Your Worldで泳ぎ回るアリエルの髪の毛って

誰もが好きだし、美しいと思いますよね。

アニメーションの髪の毛は本当に魅力的です。

そこで実写の役者さんの赤褐色のドレッドヘアーがおかしいと言うのなら、

ウェービーヘアやドリル頭だっておかしいんじゃないかと思うのです。

肌の色も、日本の役者さんが演じると白人の肌とはちがいます。

黄色人種でも色白な役者さんだから良くて、黒人は白い要素が一切ないからだめなんでしょうか。

白人では無い ということには変わりありません。

わたしは、ブロードウェイのリトル・マーメイドは分からないのであまり言えたことはないですが、

それぞれの役者さんとそれぞれの表現方法に

それぞれの良さがあると思った方が平和的なのではないでしょうか。

 

アリエルになれる条件とは

赤い髪に青い目をした、歌声が綺麗な白い肌の人魚がアニメーションのアリエルの外見と特徴で、

そこに、好奇心旺盛なところや意志の強さとか

父親は好きだけど疎ましくて嫌なところとか

縛られたくない自由を欲することとか(私の解釈を並べてしまったが)

そういう内面も合わさってはじめて

アニメーションのアリエル が構成されるとします。

 

ミュージカルのアリエルは、

目の色とウェービーヘア&ドリル頭以外は概ねクリアしているでしょう。

ヒレ大きすぎるとは思うけどそれはさておき。

では実写のアリエルは?

肌の色と目の色と赤褐色のウェービーヘア以外が概ねクリアしていたら

ミュージカルと条件がほぼ変わらないと思うのです。

アリエルというキャラクターが何をするのか

アリエル役の役者さんがどのようにして

アリエルの性格を演じるのか

それを見てからはじめて、

アリエルなのかアリエルじゃないのかを判断すべきなのではないかと思います。

 

 

アニメーションのアリエル以外は、

誰もアニメーションのアリエルではない。

あの美しいビジュアルは、アニメーションのアリエルだけのもので、

あの魅力的な内面だってもちろんアニメーションのアリエルだけのものです。

それを役者さんがどう演じるかで、新しいアリエルが生まれる。

ディズニーがつくりたいのは、

アニメーションのアリエルではなく、

新しいアリエルなんだと思います。

ミュージカルのアリエルが

アニメーションのアリエルとはまた別のように

今回だって新しいアリエルになるはずです。

 

私たちはエリック王子になっている

ひとつの要素に囚われて、キャラクターを定義することは、

美しい声という要素に固執して、

ヴァネッサに騙されてしまうエリックのようなものではないかと思うのです。

外見はキャラクターの大事な要素ですが

キャラクターの魅力はそこだけではないはずです。

どのアリエルが好きかは個人の趣味でいいと思います。

私はアニメーション至上主義です。

人間はアニメーションに勝てないと思っています。

ただ、見た目に囚われてしまうと

見逃してしまうものがある気がしたので

自分への戒めもこめて、思ったことを残しておこうとした次第です。

長くなりましたが、終わります。

御付き合い頂いた方がいらっしゃったら

本当にありがとうございました。